![]() | くちびるに銀の弾丸 秀 香穂里 徳間書店 2003-09 by G-Tools |
泣ける ★★☆☆☆
切なさ ★★★☆☆
エロ度 ★★★☆☆
ドキドキ★★★☆☆
満足度 ★★★☆☆
bk1で購入!
●あらすじ●
ゲーム会社に勤める澤村は、自他共に認めるヤリ手広報。次の担当は、鳴り物入りで移籍してきた業界トップのディレクター・水嶋の新作だ。高いプライドと端整な美貌をもつ水嶋に、一目で興味をもった澤村。けれど彼はなぜか澤村にだけ冷たい。この男を組み敷いたら、どんな顔をするだろう…。澤村は好奇心から無理やり水嶋を抱いてしまう!ところが水嶋はその腕を拒まずに。
●感想●
以前に読んだことがあったのですが、なんとなくゲーム業界の話でわりと面白かった、というイメージだったのです。でも久々に読んでみたら・・・ちょっと覚えていたのと違っていました。良いイメージを持っていたのは殆どが水嶋から来るもので、私の記憶から澤村は抹消されていたのでした。この後、雑誌に掲載されたストーリーを読みましたが(続編に掲載されているのかな?)その時の記憶ともすり替わっているかも・・・結構甘めで、仲睦まじい話だったような、休暇を取って旅行をするとか。だから二人の馴れ初めがこんなだったことはすっかり忘れていたんですねぇ〜。
「俺になんか言いたいことでもあるんですか?」
婉曲な言い方をせずにずばり切り込むと、即座に、「あるわけ、ないじゃないか」とため息交じりに返ってくる。
ほんとかよと彼の手元を見ると、杯を持つ指先が細かに震えている。
どうもおかしい。たかだか女の話をしただけでこうも機嫌悪くされる覚えはないのだが、さりとてそれ以外に彼が挙動不審になる理由が見あたらない。
こちらを見まいとしている男の顔を澤村は無遠慮に眺めた。やっぱりよくわからない男だ。下半身の話題で共通項を見いだそうとしたのが馬鹿だったのか。
一度壊れた場の空気をどう修復しようか考えながら、店員を呼んで酒を追加した。すると水嶋がひどく急いた口調で、「俺はもういいから。この一杯で帰る」と立ちあがりかけた。
「なに言ってんですか、まだ九時半ですよ。もう少し呑んでからにしてくださいよ」
引き留める澤村自身、これ以上なんの話題で盛り上がればいいのか頭を悩ませるが、「それじゃお疲れさまでした」とあっさり帰すわけにもいかない気がする。
「だいたいまだ俺ら、仲直りしてないじゃないですか」
中腰で盃に残った酒を呑み干した水嶋の腕を掴んだ瞬間、彼の身体がびくりと強張り、やにわに腕を振り払われた。
「水嶋さん?」
同じゲーム制作のプロジェクトチーム、ディレクターの水嶋とプロデューサーの澤村。水嶋は売れっ子クリエーターで、今回から澤村の勤める「ナイトシステム」の一社員として仕事に携わることになった。制作してるソフトは「ぼくのなつやすみ」+「動物の森」みたいなのでしょうね・・・最近すっかりゲームから遠ざかってます
あらすじでは澤村が水嶋に一目惚れしたっぽくなっていますが、実際は違います。一目惚れしたのは水嶋で、そのことを逆手に脅したり苛めたりするのが澤村です。正直、澤村は嫌いなタイプです。女性関係が派手で、傲慢で遊びを繰り返し本当の恋をしたことのない人、根本的に子供なんですね。欲しいものは何でも手に入り、仕事も思い道理に出来、挫折を知らず。でも秀先生は意図的に澤村をイヤな奴と一貫して書いているわけで・・・。まぁ、世の中にはこういう男は沢山いますもの。こういう男は主役のBLがあったっていいじゃないか、と。
「水嶋さん、あのさ」
一歩近づくと、うつむいていた水嶋が後じさる。床に映るふたりぶんの影を交差させることにも怯えてるみたいだった。
「なにもしやしないって。ここ、会社だよ?」
つい噴き出してしまったことに、水嶋がちいさく舌打ちしているのも笑いを誘う要素だった。
「なんの用だよ。打ち合わせなんて口実なんだろう」
「そう、口実。あんた、俺のこと避けてるでしょう。やり方が露骨なんだよ」
「・・・・・・おまえのほうこそ、よく平気でいられるな」
乱暴に頬を拭い、水嶋が近くの椅子にどかりと腰を下ろす。それから、開いた両手に顔を埋めてため息をついた。
「俺はだめだ。お前を見ると逃げたくなる」
「取って食うわけじゃねえじゃん。俺ってそんなに危なそうに見えるわけ?」
「まあな。・・・・・・おまえはどうとも思っちゃいないだろうが、俺がおまえにどういう気持ちを抱えているかは知っているだろう。頼むから、社内ではあまり近づかないでくれ」
「それって俺が好きってことなの?ねえ、どういう気持ちになるか教えてよ。ちょっとでも俺が目にはいるとどきどきしたり、たまらくなったりするわけ?」
彼の前に立って睥睨し、からかうことが、このうえなく楽しかった。自分の一言、ひとつの仕草で水嶋を混乱させられるのだから、図に乗るなというのも無理な話だ。
どうして水嶋も澤村なんかに惚れちゃったのか、それも衝動的に・・・と言われればもう仕方ないですもんね。澤村視点で書かれているので、常に水島は苛められっこですし。澤村に気があることを逆手に取られて。基本的に「俺のこと好きなんだろう?」ってコナかける男は大ッ嫌いなんですよねぇ。しかも社会的地位は上位にいる水島を「ゲイなんだろ?」って蔑むことで優越感を持つなんてさ・・・。ホント、最低な男です。フォローのしようがないんですってば。
そうなってくるとヤッパリ水嶋に自然と肩入れしてしまうわけでして。でも、苛められっぱなしの哀れな子羊ちゃんってわけでもないんです。仕事も出来るし、ちゃんとプライベートの区別もつけようとしてるのに澤村が邪魔をするんですねぇ。水嶋が好きになってしまったことは認めても、澤村は女好きのノーマル。見ているだけでいいと思っていたのが澤村の好奇心やらなにやらで振り回されてしまうんですよ、哀れにも。流されているようで、ちゃんと自分で見切りを付けて澤村から離れようとしたときには内心ほくそ笑みましたよ。よく言った!と。その辺りの水嶋の決して女々しくならないところが好きなんですよ。
これ水嶋サイドから見たストーリーだと、どうなるんでしょうねぇ。イヤな奴だ→嫌いになりたい→でも嫌いになれない・・・そんな悶々とした葛藤がありそうですよね。イヤな奴なんだけど、バリバリ仕事をしてる姿を見ちゃうと惚れ直しちゃうんだなぁ〜みたいな。ずっとループしてそうです。女々しくはないけれど恋愛に関しては一途で乙女なところがある人です、水嶋は。
この一冊だと、ぼんやりした印象の作品ですね。いつも言うようにキャラ文庫らしいところではありますが・・・。良くも悪くも突っ込みどころがないと言いましょうか・・・。これから、続きを読みます。どうやら水嶋の元カレ登場!らしいですね。澤村をジタバタと振り回して、鬱憤を晴らしてもらいたいもんです。続編と二冊併せて読んだら、もっと二人の関係が見えてくるのでしょうか、そうあることを期待して!
●著者の他刊:秀 香穂里●
●著者の他刊:祭河ななを●





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私は「くるぶしに〜」から、この「くちびるに〜」に入りました。「くるぶしに〜」のコミックの2人のいちゃいちゃと、ぱらっと読んだ2人の関係がなんかいい感じだな〜と!
それで2人の馴れ初めが気になって、「くちびるに〜」を購入。こんなに澤村がどうしようもない奴だとは・・・(^^;まぁ、でも水嶋も相当キレ者だよな〜(ゲイってバレてもあんまり動じないとことか)とか思ってたんですが、実はいっぱいいっぱいだったんですね。なんかそんなギャップがかわいかったり。
でもサクラさんが水嶋の行動にほくそ笑んだあたりのとこが、澤村を燃えさせたんでしょうね(笑)!
この本だけなら本当にいいとこで終わってしまうので、続編が出てよかったです(^^)
是非TBさせて下さい!
TB、コメントありがとうございました。
>この本だけなら本当にいいとこで終わってしまうので、続編が出てよかったです
確かにそうですよねぇ〜。
このままじゃ澤村ひどい奴のままですもんね・・・。
先程、2の感想をアップしましたが面白かったです!
コレは二巻併せて読むべきだな〜と思いましたよ。
また遊びに来てくださいね!