![]() | さよならを言う気はない 英田 サキ 北畠 あけ乃 大洋図書 2006-05-26 by G-Tools |
泣ける ★★★☆☆
切なさ ★★★★☆
エロ度 ★★★★★
ドキドキ★★★★☆
満足度 ★★★★☆
切なさ ★★★★☆
エロ度 ★★★★★
ドキドキ★★★★☆
満足度 ★★★★☆
bk1で購入!
●あらすじ●
三年前に警察をやめ、現在ひとり「陣内探偵事務所」を経営するしがいない探偵、陣内拓朗。彼にはもっとも苦手とする男がいる。それは新宿歌舞伎町一帯をシマに暗躍する美形だが強暴なヤクザ、天海泰雅だ。見てくれの繊細さとは裏腹に、東日本最大の暴力団組織・紅龍会の直系二次団体周藤組の幹部であり、「周藤の虎」と呼ばれ恐れられている。天海が依頼してくる仕事にはろくなものがない。陣内にとっては疫病神のような存在だ。そんな天海が今日も厄介な依頼を持ち込んできて!?せつなく、胸あたたまるヤクザと探偵のラプソディ登場!!
●感想●
序盤も序盤、書き出しが↓コレです。もう思いっきり引き込まれましたとも!しかし、どこかおかしい・・・原因は表紙と帯でした。この書き方だとイラストの下の部分がそれぞれのプロフィールだと思うじゃないですか〜
でも、元刑事の探偵×ヤクザの組み合わせは好みなんだけど新鮮味に欠けるかな・・・と危惧もしていたので嬉しい誤算だったかも。
「よう、マイスイートハニー。遅かったじゃないか。待ちくたびれたぜ」
陣内拓郎は事務所のドアを開けたまま、その場でたっぷり十秒は固まった。
「何してんだ。遠慮しないで入ってこいよ」
親しげな笑みを浮かべた美男子が、人差し指でちょいちょいと陣内を手招く。
「・・・・・・遠慮なんかするか。ここは俺の事務所だぞ」
なんでこいつがここにいる。今日は厄日か。そう思いながら、陣内はどうにか気を取り直して事務所の中へと足を踏み入れた。
五坪ほどの狭い事務所を陣取る、安っぽい合皮のソファ。そこにゆったりと腰かけ、長い脚を優雅に組む招かれざる客の名は天海泰雅。まるで芸名のように華美な名前だが、正真正銘の本名だ。
陣内の八つ年下の二十九歳で、職業は頭にヤのつく自由業。もちろん八百屋ではなく、新宿歌舞伎町一帯をシマにしているそっちの筋の人間だ。
「久しぶりだな、陣内。元気にしてたか?」
気持ち悪いほどににこやかな顔を見て、頭の隅で警告の赤いランプが点滅した。天海がこういう態度で接してくるときは、大抵ろくでもないことに巻き込まれる。
「元気だったよ。お前の顔を見るまではな」
ストーリー的には事件性もあって振り回されていますが、軸となる二人の恋愛の部分もちゃんと描かれてて物足りなさを感じさせません。この辺りは英田先生巧いなぁ〜と。ちゃんと何気ない会話部分で感情の流れや、起伏なども現してくれているので改めて色っぽいシーンにならなくても二人の気持ちが確認できるんです。勿論、色っぽいシーンは壮絶な天海の色気が・・・。
陣内も天海のことを思いつつ、踏み切れないまま。憎むべき存在なのに憎めないのは愛しちゃってるから・・・でも素直には認められず。お互い好き合ってるのに、すれ違ったまま。もどかしいんだけど、追いつめられたときの天海の行動に意外性があって。押し倒したり、襲ったり・・・。
「怒ったのか?だったら殴れよ。構わないぞ。殴り返したりしないから、好きなだけ殴ってみろ。ほら、さあ」
陣内を小馬鹿にするように、せせら笑って胸を突き出す。
------性根の腐りきった男だ。
陣内ではなく、自分のことだ。無視されるなら、にらまれるほうがいい。おざなりに優しくされるより、激しく憎まれるほうがいい。
形なんて構わない。できるだけ陣内の関心を自分に向けたのだ。母親の気を引きたくて悪さをする幼い子供と、たいしてレベルは変わらない。
陣内の怒りは長くは続かなかった。にらみ合いは十秒ほどで終わり、、陣内は天海を突き放して溜め息をついた。天海は落胆した。憎む価値もない男だと突き放された気になる。
「なんだ、もう終わりか。本当にお前はだらしねぇな。女も口説けない、むかつく相手も殴れない。そんなんで男として、恥ずかしくないのか?」
「話は終わった、帰れ」
もう挑発に乗る気はないらしい。面白くない。陣内のくせに生意気だ。
天海は身体ごとぶつかり、陣内をソファに押し倒した。
「・・・・・・っ。何するんだ?」
どうも違和感を感じる、天海のアンバランスさ。陣内に接しているときだけ、どうも様子が違うんですよね。普段のヤクザでいるときの顔とのギャップがね、面白いんだけど心配にもなったりで・・・。でも、そこがすごく好きで。天海は陣内の前ではまるっきり子供になってしまうんですよね。好きな子に振り向いてもらいたくて意地悪する子。苛めてその反応で自分のポジションを確認するのです。その不器用な面とヤクザの時のクールで冷徹な顔が、面白いと言うより切ないんですよね。天海の生い立ちからからヤクザになるまで、そしてヤクザになった後の愛人生活から組を任されるまで。節目節目に陣内と関わり、自分の想いを確認し陣内を試す天海。
敢えてあらすじにはほとんど触れてません。事件性が強いのでバラしちゃうと面白さ半減しちゃうかな〜って。でも事件の流れを楽しむと言うより、二人の会話や微妙な距離感のほうが面白かったです。アレ?陣内にも殆ど触れてないかも・・・この話は天海を楽しんで欲しいなぁ〜。後は天海に苛められる陣内!
コレはコレで終わっても完成された作品だと思うのだけど、この後を考えると色々なパターンが考えられるような気がして興味があります。賀持と那波は陣内のことをどう思っているのかな、とか。現時点では反対していないようだけど。天海は陣内に守られると弱くなってしまう気がするんですよ。それを天海自身が許すと思わないし、今まで積み上げてきた色々なことがどこかで狂ってくる気がするんですよね。それを賀持達がどこまで許すかどうか。陣内はね、変わらないのだと思います。今まで通り、善人で世話焼きで。天海は独占欲が強そうだから、縛りそうだし・・・色々考えられるだけに、英田先生ならこの二人の今後をどう書くのだろうと。
「さよならを言う気はない」いいタイトルですね。どちらとも離れられない、好きとか嫌いとか分からないけど自分から別れを告げることはあり得ないのです。でも一緒に居たいとも言えない。ジレンマですね。天海と陣内の本心を一言でよく現してるな〜と。
●著者の他刊:英田 サキ●
●著者の他刊:北畠 あけ乃●





ご参加お待ちしてます!
気持ち的にやっとブログを再開させることが出来るようになったので、久々にTBさせていただきました。
確かにこの話、これはこれで完結してる感じではありますよね。
サクラさんの言うように天海は弱い自分を受け入れられない性格なので、この先かなり苦悩しそう、そ言うのってあまり見たくないし、それを考えると続編みたいな物は無い方がいいのかも〜
タイトル、私もうまいなぁと思いました
二人の関係を良く表していますよね
ではでは!!
コメント遅くなってスイマセン。
>気持ち的にやっとブログを再開させることが出来るようになった・・・
大丈夫ですか?
私も時々煮詰まることがあるので、心配です。・・・といっても、なかなかブログにお邪魔できずに事情がわからないんでゴメンナサイ。色々ありますが、お互い頑張りましょうね。
では、また!