![]() | 密約は甘く縛る 佐々木 禎子 山田 ユギ 茜新社 2006-02-03 by G-Tools |
泣ける ★★☆☆☆
笑える ★★☆☆☆
エロ度 ★★★★☆
ドキドキ★★★☆☆
満足度 ★★★☆☆
笑える ★★☆☆☆
エロ度 ★★★★☆
ドキドキ★★★☆☆
満足度 ★★★☆☆
●あらすじ●
父親の経営する旅館への融資とひきかえに、城ケ崎櫂はロレインホテルズ会長・天海の条件をのむ。有能だがフェロモンだだ漏れの社長・天海直誓の色恋沙汰を阻止するため、櫂は直誓の秘書として送り込まれた。直誓と女性の接触をことごとく邪魔した結果、代わりに櫂が相手をするよう直誓から求められてしまい、不本意ながらも身体を差し出す羽目に…。
思いこみとすれ違いゆえ、身体は近いのに心はそれぞれに遠い、社長と秘書なふたり。
●感想●
社長×秘書は好きな設定の一つでもありました。・・・何故、過去形なのかと申しますと好きすぎて一時期ダーッと続けて読んだのですが、わりと同じようなストーリーとお約束の社長室Hに飽きてしまったので、暫く秘書はパス!となってしまったのでした。なので、多分久しぶりの秘書ものかと。手当たり次第に読んでいるので記憶があやふやなので、スイマセン。
さて、このお話のちょっと違う面はといいますと密約が社長と・・・ではなく、その父である会長とされているところですかね。社長と密約を引き替えに体を差し出す生け贄系は嫌と言うほど読んだのですが、櫂の場合は会長と密約しているので少し立場が違ってくるのです。その辺りの櫂の板挟みと生い立ちからくる引け目がちょっと違ったテイストにしてくれてるかな〜と思います。
身体は屈しても決して心は屈しない。櫂はそういう類の男のようだ。
直誓もだてに社長業をやってきていない。よほどのくわせ者でないかぎり、その相手の人となり、本心ぐらいは読めると自負している。
そしてこういう、想定外の事態が起きたときこそ、人の本質というものがくっきりと姿を現す。
冷たい怒りに燃えた双眸が直誓をまっすぐに見返してくる。ひるまず、そらさない視線から櫂のプライドの高さが窺える。
不本意であるのに、本気で抵抗しない。
気持ちは拒絶しているのに、身体は拒絶しない。
どう受け止めればいい?
「あまり騒ぐと人が来ます。社長と秘書の醜聞が社内を賑わすのは不本意ですから」
櫂が冷たく言い返してくる。
無理に開かれたシャツの襟。乱れたスーツ。直誓が強く吸い上げた鎖骨付近の肌の色が、淡い紅に染まっている。
目に毒なくらい、嗜虐心をそそる眺めだ。
「それはそうだが・・・・・・騒がれたら問題になるのは俺のほうだろうに。どうしてそこまで君が俺の立場を慮る?」
「私はあなたの秘書ですから」
「ずいぶんと素晴らしい秘書だな」
会長にある条件と引き替えに息子である現社長・直誓の女遊びを阻止する目的で秘書となった櫂。もちろん直誓は会長と櫂の密約を知らない。ことごとく直誓に近づく女性を横取りするために、櫂は直誓に自分の上をいく遊び人だと誤解されてしまう。そして直誓の友人のグリフが「櫂はゲイで直誓を取られたくなくて邪魔をしてるんじゃ・・・」などと推測し、自分が櫂に手を出してもいいかと言いだして・・・。更に誤解した直誓が櫂に自分に抱かれれば他の女に手を出すのはやめると条件を持ち掛けられ、その条件をのむことに・・・・・・。
直誓は女好き。遊び人な訳でもなくて、ただフラフラと次から次へと・・・って。でも、二股はかけないし、つきあってるときはその人一筋になるんだからまだマトモ。マメなんですよね、きっとこの人学生時代から相当モテたんじゃないかな〜って思わせる人。ちゃんと気遣いが出来るんですよね、櫂に対しても食事の心配したり体調を気遣ったりと自然と出来る人。大手ホテルの御曹司なんで、ちょっと高飛車に感じたりするところはあっても基本的には子供っぽくストレートに感情を出す人かな。でもやっぱりお坊ちゃん育ちで今まで自分が望んで手に入らなかったものはなかったと、なかなか自分の手に墜ちない櫂に苛立ちを隠せない。自分に対し何かを隠したままの櫂に焦れ、探偵を使って身辺調査をしたり・・・。最後は、盗聴器ですか?押せ押せで櫂に体だけじゃなく、心も欲しいと願う直誓なんだけど櫂がね・・・。会長の密約はそんなに拘束力がないのだけど、愛人の子という立場から自分の素直な気持ちを直誓に伝えても負担にしかならない、直誓の将来に傷を付けると直誓に気のない振りをし続けるのです。
「そんなつもりじゃないのか。つまり君は、手当たり次第に女性の連絡先を聞いてまわる。そういう男ってだけか?」
「・・・・・・・・・」
さすがに答えられず、押し黙る。
「しかも女だけじゃなく男にも尻軽だ」
隣に座る櫂だけに聞こえるほどのひそめた声で、直誓がつづけた。
「社長、それは」
言われたくない言葉を告げられ、櫂は青ざめる。そういうふうにだけは思われたくないのに、直誓は櫂に対するその誤解を抱きつづけたままだった。
ふたりのはじまり方の容易さが直誓に櫂の性癖や貞操観念を誤解されたらしい。
誤解をときたいのだが、いまさらどうやって説明していいのかがわからず、直誓の櫂に対する誤解は日を追うごとに連れて深まる一方だった。
「それは?」
直誓は、なにか言うことがあるなら聞こう、という態度になって櫂の台詞のつづきをうながした。けれど櫂にはそれ以上、なにも言えない。
なにかひとつでも言えば、そこから、編み上げてきた嘘がほどけて、取り繕ってきたものがぼろぼろと崩れてしまうに違いない。
クールビューティーで仕事が出来る秘書は大変ツボなキャラなんですが、この櫂は多分今までの中でも一番の堅さなんじゃ・・・難攻不落。身体は差し出しても、仕事上は全く変わらず歩み寄りを見せないのです。押しても押しても引いてっちゃう。母が愛人で常に出しゃばらず、家でじっと訪ねてくるのを待っているという人で、幼い頃からその姿をずっと見てきた櫂は自然と一歩引いて愛人のように振る舞っているんですよ。そして自分が母のようになっていくことに更に落ち込んだりで。でも直誓には家の事情、会長との密約・・・言えないことが多くて。櫂は胸の内に溜めてしまう人なんで誰にも言えないこの状況が凄く辛かったんじゃないかな。でもこの人不器用ですよね。演技でも直誓を愛して夢中なフリでもしておけば楽だったんじゃ---と。一年間だけ自分に引きつけておけばOKだったのなら。けど、それが出来ない人なんですよね。基本的に生真面目で堅い。生い立ちから軌道を外れることに凄く気を遣ってる人だしね。私の願望でこの人乱れて欲しかったなぁ〜ってのがあったんで、残念。イヤ、あくまで私の希望ですので・・・。ちなみにお馴染みの社長室Hもありません。櫂の堅さからいって無理でしょう。仕事は仕事です、四六時中一緒のくせに夜のお勤めは秘書の櫂の部屋でという。やっぱりどこか愛人宅に通う社長・・・・・・。
それにしても、そこまで実家の旅館に恩を感じなくてもいいのになぁ〜って。確かに育ててもらった恩とか、父に対しての愛情はあるだろうけど、兄に対してはやり返してもいいんじゃないのかなぁ〜。本当に旅館のことを考えるなら憎まれても櫂が上に立つべきだと・・・。幼い頃から染みついた日陰の身の考え方が表舞台に立つことを拒むのでしょうけど。このまま櫂が手を尽くしても、兄が引き継いだ旅館を潰れていくのを見る羽目になると思うのにな。
やっぱりクールビューティな秘書さんは乱れてくれなきゃ・・・こういった堅めのお仕事の人のギャップがいいのになぁ〜。ちょっと櫂には甘さが足りないかなって。そこが物足りなかった点かな。クールすぎて面白味に欠けるのです。でもバランスとしては良かったのかな、押せ押せの直誓と引き気味の直誓で。引き気味の櫂をラストには直誓が説得して墜とすのです、実家のことも仕事のこともすべて俺が面倒見る!と。取りあえず一件落着なんですが、さて櫂はそれで納得するような男かなぁ〜とどこか引っかかるところもありますが・・・。結局お金で解決された感があって。直誓が強引にこの先も口説き通すのでしょうね、きっと。何だか最後思いっきり俺様ですし・・・。
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